無辺世界

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悪人

 吉田修一の『悪人』。夢中になって一気に読んだ。殺人を犯してしまった祐一と、そんな祐一と出会った光代の逃亡劇。表紙からもわかるように、本作は妻夫木聡と深津絵里主演で映画化され、来月11日に公開を控えている。それを踏まえて読み始めたので、小説のなかの祐一は妻夫木くんだったし、光代も深津絵里として頭のなかで再現された。役者としての二人がもともと好きだったこともあってか、主人公の二人には極端に肩入れしながら読んだ。殺された女性への同情心はちっとも湧いてこなかった。我ながらものすごく感情移入して読みきったものだと思う。
 
 読みやすくてどんどん先に進めちゃうので、これはひょっとして「読んでるときはおもしろいけど読み終わると何も残らない類の小説」か、という予感がしたんだけど、全然そんなことはなくて、読後に残った深い余韻は一眠りした後の朝まで続いた。悲しくてやるせないのはもちろんだけど、それ以上に悔しくて涙が出てくる。「誰が本当の“悪人”なのか?」。殺人という罪は“悪”だけど、祐一を“悪人”と思いたくない。つらい。だけど“悪人”がいなかったとしたら? それはそれで……と、考え出すと深い問題だけど、これ以上書くとネタバレというかこの小説の醍醐味をばらすことになってしまうのでやめる。つらいよー!

 さて、来月公開される映画も気になる。妻夫木くんにとって、原作を読んで初めて自分からやりたいって言った役なのだとか。主演の二人も好きだけど、満島ひかりと岡田将生もいいなぁ。監督も『フラガール』の李相日だし、期待しちゃいます。さっき映画の公式サイトで予告編を観てみたんだけど、期待は崩れず、あぁこれは観に行こうと思いました。

 映画『悪人』OFFICIAL SITE
 http://www.akunin.jp/index.html

 イントロダクションに「この究極のヒューマンドラマに胸を打たれた日本を代表する10人の映画監督が映画化を熱望し、20社以上に亘る映画化権争奪戦となった」とありました。すごい! 10人の映画監督って誰だろう。

 この会見のインタビューもおもしろかったです。
 http://www.moviecollection.jp/news/detail.html?p=1329

 樹木希林の「妻夫木と深津が出演すると聞いて真っ先に『マジックアワー』が浮かんだそうで、「『マジックアワー』かぁ……」と思った」とか! 満島ひかりの発言がまたよい。


読書 12:06 comments(2)
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- 12:06 -
COMMENT
おお悪人だ。面白かった覚えがある!
…が、細部は忘れました。
二人にはもっともっと逃げて欲しかったんだけど…
無理なんすかねぇ。
二人で逃げ出したところから自分は急に面白く読めたなぁ。
光代はもっと生活感のある女性だと思っていたけど、それは住んでいる家が古いからそう思ったのかなぁ。
増尾圭吾のクソ人間っぷりは妙に覚えているのだけれども。
| たじま | 2010/08/14 10:00 PM |
to:たじまくん

返事超おそくなりました。すみません

『悪人』読んでたんだね。ひさしぶりに吉田修一読んだけどいいねぇ。『パレード』も引っ張り出して読み返そうかな?なんて気分です。

たしかに二人が出会ってからがぐんと面白かった! 正直、二人さえ幸せになってくれれば他の人はどうでもいいとすら思った! 殺された女性のお父さんとか、祐一のお母さんとかにも感情移入しないことはないんだけどさ。

増尾やなやつ!でも岡田将生ならうまく演じてくれそう。
| えみ | 2010/08/23 6:38 PM |









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